地球環境と素材について
私自身これまでもできるだけ自然素材を基本として材料選定をしてまいりましたが、いよいよ臨界点が近づいてきたように感じます。海や大気中のマイクロプラスチックの問題を次の世代に押し付けることは、今の世代の大きな罪だと考えています。2020年masuoka-designはこれまで以上に石油化学系の建材を避け、一から建材の選定・調達方法・施工方法・コスト等を見直すことにしました。
解体作業
解体工事については全てを撤去しフルスケルトンにすることが本当に必要かどうか施主様と話し合い、使える物は再利用することで業廃棄物のゴミを減らし、コストも下げられる可能性を追求します。
下地材について
例えば通常マンション用の間柱は、有害な接着材を使い3mの長さに作られた物です。私自身はこの間柱は使わず、基本的に一本物の針葉樹を選んでいます。この針葉樹の下地材であれば100年の使用に耐えるものだと思います。ボンドは出来るだけ使用せずスクリューネジのみで施工しているので、再度使用する事も可能です。構造材パネルにしてもベニヤ板のような熱帯雨林の樹木ではなく、針葉樹を使用しています。北米・カナダ・ロシア産が主流ですが、植林計画がしっかりしている北米・カナダ産をできるだけ選んでいます。寸法切りをして残った材も強度材としてできるだけ使用するよう気を付けています。小さなことの積み重ねですが、排出ゴミを減らす一助になればと考えています。
フローリングについて
基本的に無垢のフローリング材を使用しています。無垢材といっても接着材を使用して定尺の1,820mmに加工されたユニフローリングは、床暖房対応など特殊な事情がない限り選択肢から外しています。もちろん1枚物の無垢フローリング材は高価ですが、こういった化粧材には利益を計上していません。ですから他社のユニフローリング材の見積もりよりも安価で施主様に提供できていると思います。もちろん100年以上の使用に耐えるクオリティで、剥がして再利用出来るよう施工しています。仕上げには石油系ウレタン塗装は一切いたしません。アンティーク家具のイメージで扱い、ワトコオイルを染み込ませてから蜜蝋をベースにしたワックスで仕上げています。これからも合板フローリングを検討している方にはより一層熱い思いで無垢フローリングをお勧めしていきたいです。
ドア・モールディングについて
ドアに関してはホームページで何度も紹介させていただいているシンプソン社のパネルドア。枠材やモールディングも針葉樹を選んでいます。100年以上使える高品質ながら安価なドアを選ぶことはそのまま環境への影響につながりますね。こういう化粧材など細かい点についてもお客様への説明を丁寧にしていきたいと思います。
壁・天井の仕上げ材について
壁や天井の仕上げにはクロスや塗装が圧倒的に選択されています。とりわけ多数を占めるビニールクロスは石油系の物質で、低温での焼却ではダイオキシンを発生する厄介なものです。しかしながらコスト面・仕上りのクレーム等の面で自然素材の漆喰や塗装に移行しにくいという現実。私自身まだ明確な答えを出せていませんが、この大きな壁をどう乗り越えるかがこれからの大きな課題だと実感しています。
以上すべてにおいて私一人の力ではどうにもできません。まずは依頼される施主様からこれらの考えに共感していただけるかどうかが重要です。もちろん私が説明し説得して実現できることではなく、同じように地球環境を大切な課題として捉えておられる方との出会いも模索していきたいと思います。
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