100年使える!ヴィンテージリノベーションの床について
ヴィンテージ・リノベーションにて施工した大阪のマンションの床の事例
・リノベーションの際にどのような床がいいの?
・無垢の床の種類や違いが知りたい。
・床って素材によってどうかわるの?
大阪でリノベーションの際に最もこだわりたいお部屋全体のイメージには、実は「床」が大きく関わっています。床はお部屋の大部分を占めるため、床にこだわるかどうかで、リノベーションの仕上がりの第一印象からその後の生活までもが大きく変わってきます。
私共が主宰する「ヴィンテージリノベーション」において、建材は無垢材をベースに、大理石、タイルなどを主に場所やデザインによって使い分けています。
ここでは少し詳しくそれぞれの建材についてお話していきたいと思います。
実は違う?無垢の床の種類や貼り方
まず、「ヴィンテージリノベーション」には欠かせない無垢の床(フローリング)について。無垢材とは、合板や集成材(木をくっつけてつなぎ合わせて作る木材)ではなく、使用する形状で丸太から切り出した木材(1本の木材)のことを言います。さらに無垢材を大きく分けると針葉樹と広葉樹とに分けることができます。
針葉樹で主なものには海外ではパインやバーチ、国産では杉やヒノキもよく使われます。特徴としては木肌が優しく比較的柔らかい素材ですので、私には女性的なイメージがあります。長さも4m近く1枚板で使用出来るので、ジョイントが少なくなるのも大きな特徴だと言えます。
床(フローリング)に使用する際には、日本では真っすぐに貼るデザインが圧倒的に多いのですが、海外ではヘリンボーンや市松模様で仕上げ、床に躍動感を出します。
ヘリンボーンの床
色目も経年を重ねていくと美しいあめ色に変化していきます。こういったエイジングも無垢材の醍醐味と言えるでしょう。当然、無垢板なので圧倒的に長持ちします。メンテナンスをしっかりとすれば100年以上は間違いなく使用できますし、その後も古材として100年ぐらいは活躍出来るでしょう。
次に広葉樹ですが、これは本当に沢山の種類があります。中でも私は、オークやチークをおすすめします。理由としては、色が濃すぎないため、日本人の感性・デザインニーズに自然に馴染みます。使い続けていくうちに色合いは深みを増していきますので、初めは少し薄いくらいがベストです。
店舗などでは花梨やウォルナットやローズウッドを使用する事もありますが、色が濃く、個性が非常に強いので日常の暮らしには少し重い気がします。
先ほどおすすめしたオークにはホワイトオークやレッドオークなどいくつかの種類があります。
特に現在北米でも一級のレッドオークは希少になっています。広葉樹の植林は針葉樹と違い、成長まで大変長い時間が必要です。
幅の広いレッドオークのフローリングを生産するには、樹齢100年以上の木材が必要で、簡単ではありません。アメリカのブルース社はこのレッドオークのフローリングを100年以上提供している会社です。厚み18mmのソリッドレッドオークが1㎡7,000円程で販売されています。日本では考えられない価格です。USA製の木製建材は世界の一級品だと認めざるを得ません。
オークやチーク材で貼った「ヘリンボーン」は私のイチオシの床(フローリング)の木の貼り方です。
ニシン(魚)の骨という意味のこのパーケットは、海外の高級アパルトマンではよく使われます。かの有名な、ベルサイユ宮殿にも使われています(!)。一概に「ヘリンボーン」と言っても3種類程の貼り方があります。奥が深いですね。
こういった無垢の床(フローリング)貼りもリノベーションにはとても重要です。
無垢の床の仕上げは自然素材のワックスで
無垢のフローリングの価格帯としては、1㎡4,000~8,000円といった所だと思います。
ただ気を付けていただきたいのは無垢のフローリングでもユニ表示があるものは、集積材の部類に入りますので、クオリティが全く違います。
ソリッドタイプのフローリングを選択されることをおすすめいたします。
自然素材にこだわるのであれば、最後までこだわりきらなければ意味がありません。私共の床(フローリング)貼りの流れについてですが、まず着色せずオイルを浸み込ませた木を安定させてから、蜂の巣から採取したビーワックスで仕上げています。本来このワックスはアンティーク家具のメンテナンスとして昔から使われていたものですが、私は仕上げにもこのビーワックスを使用しています。ポイントはそのまま使用するのではなく、防虫効果を高めるためのハーブなどいくつかの自然成分を練り込んで使用していることです。もちろん、パインなどの針葉樹も同じ方法で仕上げています。
大理石について
次に大理石についてお話させていただきます。大理石はヴィンテージリノベーションには欠かせないアイテムです。ありがたいことに最近では、大理石も各国からリーズナブルな価格で市場に出ていますが、こちらもやはり質が肝心です。
大理石の世界3大産地はイタリア・ギリシャ・スペインです。
地球が形成される中でこの地で上質の大理石が何億年もかかって作られたのです。大理石と言って思い出される建築といえば、ギリシャのパルテノン神殿が有名ですね。パルテノン神殿は大理石で出来ています。3,000年前ですよ、すごいですね。
大理石でできたギリシャのパルテノン神殿
今まで様々な国の大理石を扱ってきましたが、私自身はいつもイタリア産・スペイン産に心惹かれます。価格も決して高いと思いません。1㎡9,000円前後です。
昨今、多くの施工で見られ、残念に思っているのが単一の大理石で仕上げていることです。動きがありません。
一枚が1m角以上であればそれもいいのですが、300mm角のような小さな大理石であればやはり2種類で組み合わせるのが、ベストです。以下の参考画像をご覧ください。
私は大理石を廊下やトイレ・洗面所にも使います。メンテナンスや使い方を正しくすれば問題なく長年使用できます。少なくとも100年以上は大丈夫です。
大理石を組み合わせた事例
タイルもよく使いますが、モザイクタイルは面白いと思います。組み合わせが無限にあるのでオリジナリティ溢れるインテリアをデザイン出来ます。価格も昔に比べると本当に安くなりましたね。1㎡5,000円も出せば、いろいろ探せると思います。
マンションリノベーションではそんなに大きな面積を貼る事はないので少し冒険してもよいと思います。
このようにヴィンテージリノベーションで使用する床材は本物であることにこだわっています。
私の仕事は、それらの素材をどうコーディネートして且つリーズナブルな価格でデザインするかです。それには豊富な知識と経験が絶対に必要です。
そして最も大切な事、それは「ヴィンテージ・リノベーション」が大好きだという事です。私がこだりすぎて赤字になる時もあるのですが…、経済行為の枠を超えた天職として受け止めています。
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