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お部屋がワンランク上になる「モールディング」とは


私のリノベーションの最大の特徴の1つがこの「モールディング」です。
シンプソン社のドアを使うことの多い私のデザインでは、コーナーブロックやプリンスブロックをよく使用します。さほど広くない日本の住空間にもバランスよく施工することによってデザインのイメージは十分表現できます。

モールディングは、ドアまわりや天井まわり、巾木などの装飾や仕上げの総称で、欧米のインテリアでは必ずと言っていいほど使われています。モールディングすることで、奥行き感やボリュームが生まれ、インテリア全体に上質感が漂います。

しかし日本のリノベーションや新築物件ではなかなか見ることが出来ません。もちろんコストの問題もありますが、モールディングというインテリアの歴史が日本にはまだ根付いていないことが大きい要因でしょう。日本のインテリアにおける「洋風デザイン」が、欧米のレベルにまだ追い付いていないと実感しています。

モールディングの壁

モールディングとは

私は、リノベーションを行う際、床と壁の見切り部分に用いる巾木(ベースボード)にモールディングを使用します。近年では巾木をなくしたり、小さくする傾向がありますが、私は耐水性や強度の観点から巾木を必ず使用しています。マンションの壁はほとんどが石こうボードで仕上げられています。石こうに紙を貼っている建材なので決して強い建材ではありません。

例えば掃除機が巾木の付いていない壁にダイレクトにあたってしまうと、簡単にへこんだりします。またドア枠などの収まりがきれいではありません。海外では巾木の高さがその建物の格式を上げるほど重要なアイテムです。日本の住宅は天井が低く、広さも小さい空間が多いですが、しっかりバランスを考えデザイン性も大切に適切なモールディングを選ぶことが重要だと考えます。

デザインの観点からもモールディングは大きな役割を発揮します。モールディングの大きさや形状によってお部屋全体のイメージは決定されると言っても過言ではありません。モールディングは部屋の奥行き感に大きく影響し、ボリュームアップされた住空間になります。またモールディングの描く線が優しさや暖かみを感じさせてくれます。直線的な部屋の構成の中でモールディングの線がとても重要なファクターだと感じています。

自然界には直線は存在しませんよね。生物として、人間の暮らす住居には木目や大理石の自然な紋様を取り入れることも必要です。そしてモールディングとの相乗効果で理屈ではなく「居心地の良い住まい」ができるのだと思います。

素材は発砲ポリウレタン製が一般的ですが、私は無垢材、ヘムファー(もみの木)を使っています。コストも海外、特に北米メーカーのものはリーズナブルですし、クオリティも高くおすすめです。最終的にオリジナルペイントで仕上げると、格段に床の印象が引き締まります。また、ヘムファー(もみの木)は、床のフローリング材に使用する無垢のオークやチーク・パイン材などととても相性がよいのでこの組み合わせはとてもおすすめです。

モールディングのドア

モールディングとは

モールディングとは

モールディングのあるドアとないドアでは印象が全く違います。私の使っている材料は北米のヘムファー(もみの木)で、無塗装で入荷しますのでオリジナルペイントが可能です。ドアとモールディングの色を変えることも可能なので、バリエーション豊かでイメージは大きく広がると思います。もちろんドアに合わせて巾木も無垢材を使っているので、100年クオリティのお住まいを次世代に受け継いでいただけると考えています。

ドアや窓廻りに施す「ケーシング」も重要なモールディングです。ロマネスク様式やゴシック様式、ロココやバロック様式などの時代によって様々な意匠に変わりながら発展を遂げた歴史があります。どの様式のデザインを使うかで西洋では建物の格式も変わるほどです。日本では保護材としての役割が大きくモールディングという文化に触れることが少ないと思うのですが、近年少しずつ認識されつつあります。そうするとデザインする側が部屋の大きさや天井高とのバランス、コストをうまくコントロールしていくことが大切な仕事になってきます。

モールディングの種類

モールディングとは

モールディングとは

モールディングには様々な種類があります。壁やドアまわり、天井まわり、床、巾木、窓、家具まわりと本当に多くの場面で活躍してくれます。しかし多用すれば良いかというとそうではありません。大切なのは全体の「バランス」。インテリアコーディネーターなどの専門家が部屋の広さや天井高、ドアのデザインや床材などをしっかり把握して、モールディングの幅や厚みを考え、適切な箇所に施工することが重要です。

モールディングを使ったタイムレスなリノベーション

私のリノベーションでは、接着の際に使用するボンドも最小限。50年後(!)に剥がしてまた使うことを想定しているからです。これは欧米などで床材やドア、ステンドグラス、ドアノブ、モールディングなど多くの建材マテリアルがアンティークとして次世代へと受け継がれている様子を実際に見て学び、感動したからです。「気に入ったものを長年愛用すること」は、今の私のインテリアやライフスタイルに大きく影響しています。アンティークの家具やビンテージのみならず、服は古着を愛用しています。

私がリノベーションの際に重要視している(コンセプトにもなっています)ポイントのひとつが、インテリアを含めた「トータルコーディネート」です。私はよく提案しているのは100年前のヨーロッパやアメリカのアパートメントの内装にミッドセンチュリーの家具やインダストリアルのヴィンテージを取り込み、タイムレスの良い物をコーディネートすることです。おかげさまでお客様にはとても喜ばれています。また価格も、特別な価格や一部のマニア価格ではなく、欧米の蚤の市などで中古品や古着と同じような感覚で家具や照明がリーズナブルな価格で売られているので、それらをオリジナルの家具に組み合わせて提案しています。


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